作曲法2


前回記事は↓から。迷った末、「全体に公開」に変えました。
そして、ブログにも載せました。
http://mixi.jp/list_diary.pl?year=2009&month=4&day=30



さぁ困った。3回シリーズと言っておきながら、考えてたのは1回目だけなんだ。
しかも今回と次回はよりコアな内容に、としてる。困った困った。

 気をつけなきゃいけないのは、ほうっておくと、自分のケースをお話しているはずなのに、自分の悩みを延々と打ち明ける場になってしまうってことだな。それには気をつけよう。
創り手さんを一瞬一秒でも刺激したらこの文章は勝ち。
気持ち悪いやつ、無駄に考えすぎるやつと思われたら負け。

2回目は、かなり精神論な「作曲法」です。

△▽△


BGMと、参考資料。僕の曲。
http://www.muzie.co.jp/artist/r002111

 ときに。作曲などというものを志すのであるから、もちろん、個性はほしいと思う。個性=わたしらしさ、私にしかできない、アイデンティティ… この間のとあるメッセでは、こうして個性を突き詰めることは、「私自身」を知ることになるのだ、というなんだか哲学のガイダンスみたいなお話も出てきました。事実だと思います。


 世の中、muzieだけで毎日60曲。少なく見積もって、日本のネット全体で300曲、日本全体で500曲は1日に新曲として発表されているでしょう。よく枯渇しないなぁ、と思うくらいの量です。その中で自分が1曲を出す意味って何なのか?たとえば自分自身の表現の場だからじゃないのか…?


 まあいろいろ自分の中で変化はあるんですが。誰しも創れる曲を作るっていうのは、僕はそのジャンルの中でのど真ん中を行くことに近いと思います。ロック中のロック。トランス中のトランス。戦闘曲中の戦闘曲。こいつら、本当はすごいんです。けど、僕としてはちょっと魅力を感じないかなぁ、と思って「ました。」 たとえば先生の授業でも、「国語中の国語」とか「歴史中の歴史」をやる人はつまんないじゃないですか?


 じゃあ、混ぜるのはどうか。「ロックと和楽器が混ざる」「テクノとポップスが混ざる」…斬新な気もしますが、まあネットを見れば結構ありふれてますよ。3つ混ぜても4つ混ぜても同じこと。そのうち何やってるんだか分らなくなる。


 ここでジャンルの壁ってあるのか?って話をするより、微妙な感覚ですが、出てきた曲はどこかのジャンルに属さなきゃいけないわけだし、ぐじゃぐじゃに混ざり合った状態がいい示せることは別にえらくないので、「考えない」ことにしようとしています。
「中心」もしくは「それ以外」。頭の中に数直線みたいなものを書いてます。
 

 まとまらなくなってきた。次。どこにその個性を見出すか。最近ボーカロイドなるものが出てきて、「これは○○Pのミクだ」とか「××Pのミクはすぐわかるなぁ」「神調教」という発言を目にします。あのソフトは本当に調声にクセが出ますので、そういうことがはっきりわかるんですが。問題にしたいのは、「音楽より音色に重点を置きすぎていないか?」ということです。限られた百ちょっとの音色の中だけでやってきたmidi派だからこういうことを言うのかもしれません。オーディオ時代から始めた人にとっては、おかしく感じるかもしれませんが… ミクの声が、あるいは、リバーブの加減が、ピアノの音色が。そこは本当に個性で、クリエイティブな部分なんでしょうか?
  

  リバーブが大事でない!とは決して言いません。Cubaseを共にしてよく感じます。しかし、そこは「よりよく聞かせるための一つの手段」であって、根本の、自分の脳と直接コネクトされるクリエイティブで個性的な部分とは言えないと思います。



 僕が楽しいと感じるのは、まさに脳内から楽譜なりピアノロールなりに音符を置く瞬間。「つかまえた!!!」。そしてそれがある程度調和がとれてギリギリ曲になった時の満足感。


 細かい値をどういじっても、作曲はやはり個性であるべきだと思うんです。音色が悪いなら、数年経ってお金を稼いでからその時の最先端のソフトシンセでも買えばいい。音楽が悪いなら、自分と戦うしかない。僕は負け続けですけど、創作行為は自分と戦ってるはずです。いつか勝つ。(ぉ?)では、「自分とのかかわり」については、次回吐きましょう。

 「ミューザ川崎シンフォニーホール」にコンサートを聴きに行く時、客はみな「ホール」を聴かずに「音楽」を聴く、と。「ホール」は「ハコモノ」である、と。


アナロ熊」が絶滅しそうな2009年の今をもってしても、midiも着メロも、僕は聴きます。世の中が安い機械音に対して全員が「ズコー」と叫んだり、一瞬で他の動画を探す時代が来ても、僕は聴きに行きます。ボロ屋台のようなホールにも名演はあるかもしれない。それを聴くチャンスを自主的に捨てるようなことはしません。
 
 珍しく熱い?いえいえ^^僕は涼しい人間です。熱くなれないのは悩みです。

 曲を内面から見るか、外面から見るか。
 さっき、脳と作曲をコネクトっていいました。そのときの話です。
 ミスチルのアルバムなんですが、
http://www.amazon.co.jp/gp/product/images/B000AOGRXU/sr=1-10/qid=1241243322/ref=dp_image_0?ie=UTF8&n=561956&s=music&qid=1241243322&sr=1-10

 こんなジャケット写真があります。ハートの形をしてますが、トマトを投げつけて飛び散ったようです。
 

 人によっては、センスが鋭くて、脳内からでたスライムみたいな「何か」を、キャンパスにぶつけるようにして絵(=音)にします。そんな人をネット上で何人か知っています。脳内から出たものを直接投げつけて、音楽に。おそらく、あまり考えてないんだと思います。ものすごくエッジの効いた、刃物のようなセンスをお持ちなんだと思います。音感とかで言い表せない、鋭利なセンス。で、そんなトマトは、もしかしたら少しびちゃびちゃになって汚く見えるかもしれないけど、より創作(物)の「リアルの姿」だと思います。 洋服を着てない、生身の作曲の姿。ダイレクト・アクセス。まさに、ぶつけているんですよね。前衛的かもしれない。また、「歴史上の偉大な作曲家」の中にも、このトマト保持者はいっぱいいたはずだ。そもそも、「気持ち」ってトマトなんじゃないの?I love youも投げなきゃ。
 

 ただ、大昔ならいざ知れず、今の僕自身は、それはできないんだと思います。悪いことじゃないはずです。飛び散ったトマトをもう少し人力でかたづけて、きれいなハートにすればいいんですから。


 感情をダイレクトにぶつけるTomater(トメイター…?)の場合、曲を客観的に見づらいかもしれません。「あの時のこんな気持ちを曲にした」(from 主観)人は、「馬が走るような楽しい曲」(from 客観)と考えることはしにくいのかもしれません。自分の作曲を、内側、内面から見てるのか、外側、外面から見てるのかって結構違うと思いますから。僕は、まあ「センス不足」なのかもしれませんが、こういう文章まで書いてしまうくらいの人なので、よく外側から見ていろいろ考えます。それで、トマトをもうちょっと掃除して、提出します。服を着せます。


 ただし、過度なおしゃれはさせません。片づけすぎて、トマトに抗菌剤とか振りかけることはしません。おしゃれなんてしない性格だし。自分のトマトを削ってまで、外側から手を加えるのは、個性を減少させてるにすぎないでしょうから。バランスだよね。できるだけセンスに頼りたい。


 →ここで、前回の作曲は簡単ですか?っていう質問をもう一度すると、全員がNOって答えそうだよね。実際「センスに頼る」とか書いてるしwwww

 でもでも、「こう考える」から「こうなった」のであって、僕もシーケンサに向かっているその瞬間、こんなこと考えてるか、といったらそれは嘘です。自由に、フリーダムに作ってます。
自分をガチガチに自己ルールで縛って、ちょっと悲しく見えるかもしれません。それって楽しくなくない?と。特にライブ派の人から。僕もときに締めすぎていると自覚してます。それが曲創りのスピードを遅くしています。そりゃそうだ、縛られれば動きにくい。


 なお、現在のところ、「ジャンルの中心の音楽」や「良い音、良いホールの音楽」のほうが、圧倒的に聴かれています。そりゃそうだ、リスナーは誰だってきれいなもの聴きたいよね!だから、僕は実力的にmuzieで1000hit近くが関の山です。

 じゃあ、完全に逆を生きるのか、というと、僕も聞かれたいですからそこまで神がかってひねくれ行為はできません。



 今考えてることは、こうして自分なりに考える個性的な曲を創ってきた僕が、「ジャンルのド中心」をやると、しみついてしまった今までのものといい感じに融合して楽しくなるんじゃないか、ってことです。Chiptuneなり、pop-rockなり、tranceなり、eurobeatの、そのものド中心を行く「ような」曲が創れないか、試してみています。Hitしたいなら、正面からミクの曲創ればいいじゃまいか!という問いに対しても、毎日いろいろ考えてます。なかなかできない。「今のミク=DTM界のド中心」なんだから。


 いずれにせよ、どんな創り方をしようが、「最高の音楽」に近くあればいいわけで、小さいことをどっちにするか?なんて悩んでいても意味がないわけです。それから、自分で神聖な考え方をしたからといって、聞こえるのは「音楽」以上のものでも「音楽」以下のものでもないってこと。が、とりあえず僕はこう考えてます。ってこと。


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ふぅ。実はバイト後わざわざ大学に行って集中してこれ書いた。バテた。
[text]はいつも長くなってごめんあさい。今日のは3500字。
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