桜庭一樹 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』

一文だったり、一節だったり、単位は日ごとに変わります(笑)

そう、これはどうみても「ラノベ」なんだけど、その後は、「直木賞受賞作家」になる桜庭さんの作品。

桜庭さんの直木賞受賞は、ダ・ヴィンチあたりでは、「ラノベ」が「純文」に受け入れられた、って評判になった事件でもあるみたい。

「少女七竃」「読書クラブ」あたり、図書館で借りやすいのから読んでるけど、かなり「普通の小説」と違うのね。
トップランナーでは、「小説の力を信じる」って言ってた。
「映画をやりたい、シナリオを書きたい、の通過点として小説を書いている人たちを、私は信じられなかった」とも。

「特定の芸術の力」が信じられると強いですね。もちろん裏づけを伴うけれども。

話の中身。ライトノベルは表層だけで、一、二枚はがすとなかなかエグいストーリー。
嘘つきさんのお話。
だけどとにかく先が読めなくて、
ところどころに挟まるトリックや伏線も、最後には意外な形で。どーん。

個人的には、主人公の気持ちを反映しているような、
途中で茶々を入れてくるＫＹな担任教師がおもしろいと思いました。

あとおもしろいのは、転校生の名前。
「海野藻屑」